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いぬ
豊本

 先日、犬・猫の里親探しの問題が日本中で騒ぎになりました。440匹の犬・猫に対し、約5000件もの問い合わせがあり、まだ行き先が決まっていません。早く幸せになってほしいですね。
 
 ところで、世界には非常に多くの犬・猫の種類があります。それらはただ興味本位でかけ合わせて生まれたものではなく、ちゃんとした目的を持つものも多いようです。
 
 今日は有名な犬種について、2つ話を紹介したいと思います。
 
 ダックスフントといえば「胴長短足」の犬ですね。ひどい言い方をされるわりには、スマートな顔立ちのせいか、大変かわいがられています。さて、この「胴長短足」の体型、実は目的があって品種改良されたものだったのです。ダックスフントはその細長い体で穴に潜り込み、標的を穴から追い出して獲物を捕まえたそうです。また、短足のおかげでとても速く走ることができるということです。
 
 さて、次にペット界の貴族的存在、プードルの意外な話を紹介しましょう。プードルといえば耳や肩、胸のあたり、足首などをふっくらときれいにカットして、ちょんとリボンをつけた白い犬ですね。この見事ともいえる独特のスタイルには、実はこんな由来があったのです。
 
 プードルもかつて猟犬でした。見た目は高貴ですが、実は犬の中でも最も泳ぎの得意な犬なのです。
 
 人々は水鳥の猟でプードルが泳ぎやすいように、毛を刈っていました。例えば、肩から胸にかけては心臓などの内臓を守るためにふっくらと毛を残し、足は動きやすいいようにと毛を短く刈り込んでいたのです。その後プードルはフランスの貴族のペットになりました。そして猟犬の刈り込みから、おしゃれな刈込みへと変化し、現在に至るわけです。
 
 このコーナーでは、ユニークなエピソードや体験談、こだわりの話などを紹介していきます。頭を柔らかくして、どうぞ楽しんでください。ぜひ、ご感想などもお聞かせください。

J-PRESS 1997年 5月号