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豊本

 夏といえば何を思い浮かべますか。海水浴、かき氷、ひまわり、読書感想文なんて人もいるでしょう。
 
 「七夕祭」も夏の代表的な風物詩です。七月七日(高岡は旧暦)の夜、短冊に願い事を書き、折り紙の飾りと一緒に青竹に結ぶ。提灯が赤く染まると大変美しく、ずっと眺めていたいと思ってしまいます。
 
 さて七夕は、おりひめとひこぼしが恋に落ち、二人で仕事もせず遊んでばかりいたので、年に一度のこの晩にだけ会うことを許された、というエピソードは有名です。
 
 これは中国の「織女伝説」によるものですが、では「たなばた」という読み方はどこから来たのでしょうか。
 
 おりひめは大変腕のいい機織りでした。その機に棚がついていたので「棚機」と呼んだそうです。また、おりひめはこれから「棚機星」とも言われたそうです。
 
 また、機織りだけでなく、字も上手になるといって、短歌などを朝露ですった墨で短冊に書き、竹につるしていました。こうして星を祭ったことが七夕祭になったそうです。
 
 さて、夏バテ防止には「ウナギ」は欠かせない存在です。「土用丑の日」には多くの人がこのウナギを食べますね。
 
 この風習は江戸時代にさかのぼります。平賀源内の説もありますが今日は別の有力説、春木屋善兵衛と言うウナギ屋の話をしましょう。このウナギ屋に殿様から蒲焼きの大量注文があり、一日ではつくりきれないので、子の日、丑の日、寅の日の三日間でつくりました。冷蔵庫が無い時代だったので、土瓶に入れて床下で保存してみましたが、丑の日の蒲焼きだけがおいしく食べられたそうです。そして土用丑の日のウナギはおいしい、栄養があると言われ、この日にウナギを食べるようになったようです。
 
 これから夏本番です。クーラーのある部屋でボーッとせずに、夏ならではのものを探してみて下さいね。ちなみに、私は先週、蛍を見つけましたよ。

J-PRESS 1997年 7月号