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動物の特技
豊本

 自然界には特技を持つ動物達がたくさんいます。その中で興味深いものをいくつかまとめてみました。
 
 イルカは言葉を話すと言われています。ある実験では、イルカは何か法則を持つ反応と泣き声を示したそうです。例えば水族館の水槽に模型のイルカを入れたり、紐を入れたりすると「おい、どうした?」「大丈夫か?」「危ない!逃げろ!」というような泣き声を出すということです。そしてその声は人間の言葉に置きかえるとピッタリするほどだそうです。一方、イルカは夜はほとんど鳴かず、朝になり食事の時間が近づくと、相当なおしゃべりになります。「お腹がすいたなぁ」「早く持ってこいよ」などと話しているのでしょうか。いつの日かイルカ語が解明されることでしょう。
 
 さて、次は森の動物です。かわいいのに好まれることの少ないスカンク。その原因はあの一発のせいでしょう。強烈な臭いを持つオナラの被害の経験者は、息が詰まり、目に入ると一時的に目が見えなくなると言っています。ところでこのオナラ、実はガスではなく分泌液なのです。肛門の近くに2つ腺を持ち、攻撃する時にその液を発射するわけです。またスカンクは絶対に闇討ちしない公明正大な性格なのです。
 
 再び海の世界に戻ります。魚が目を閉じて眠っているところを見たことがありますか。きっと誰もいないはずです。なぜなら魚にマブタが無いからです。と言えども、魚はちゃんと眠っています。夜寝る魚、昼寝する魚…ベラなどは砂布団の中で春まで深い眠りにつきます。
 
 動物も植物も冬の支度を始めています。11月はそんな自然の見事さを感じさせてくれます。

J-PRESS 1997年 11月号