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合格祈願
豊本

 3月になりました。3年生のみなさんは、入試までの残された時間を一歩ずつ、手応えを感じながら、前進していることでしょう。今までの努力が実るよう、心から応援しています。
 
 さて、今月は「受験の神様」または「学問の神様」と祭られている菅原道真公について紹介します。
 
 菅原道真は、代々学者の家に生まれ、醍醐天皇のときには右大臣にまで出世しました。ところが、彼の出世をうらやむ藤原時平の陰謀で左遷され、九州の大宰府に下りました。彼は九州で病死しましたが、その後、宮中に落雷があったり、藤原時平が死んだりと災いが続き、道真の怨霊だと人々は言いました。そこで、道真の霊を鎮めるために、道真に「火雷天神」という神号をおくり、北野天神が建てられたそうです。
 
 この天神様、道真が受験生の神様と言われる理由の1つは、命日が2月25日で、受験シーズンに近いということらしいですが、もう1つに、道真は「文章(もんじょう)博士」と呼ばれる学者であったことがあげられます。学者で大臣になった人はめったにいません。失脚はしましたが、道真は学者としてエリートコースを歩んだ成功者というわけです。受験生の神様としては、なるほどふさわしい人物ということですね。
 
 さて、合格祈願として、神社に絵馬を奉納する風習があります。これは平安時代頃から続いているようです。
 
 ところで、この絵馬は「絵にかいた馬」というのが本来の意味です。昔から神馬(じんめ)といって神様に生きた馬が供えられてきましたが、そのうち、馬は木馬に変わり、そして「絵にかいた馬」が奉納されるようになりました。合格祈願のときの絵馬は「小絵馬」といい、鎌倉時代に一般的になったそうです。(ちなみに以前の絵馬は幅が1m以上ありました)
 
 では最後に、3年生の高校合格、1・2年生の学業成就の願いがかなうよう、祈っています。ガンバレ!!

J-PRESS 1998年 3月号