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昭和の香りただよう
木村

 「今年もよろしくお願いします」から3ヶ月、いよいよ2005年度が始まりました。中学校や高校へ進学する人、受験の年を迎える人など、塾ではいつもの光景が広がっています。今年は新中学1年生を担当させていただくのですが、「中学校はどこですか?あ、ごめん、小学校だねぇ」と訂正する始末です。卒業生の人たちの「大学合格の知らせ」といい、新しい1年の始まりを実感するこの頃です。
 
 新中学1年生の皆さんは、平成3年生まれだそうですね。そういえば2年前に、「え?平成生まれなの?」なんて当時の中1(今の新中3)の皆さんに尋ねていました。昭和63年~平成元年の私は高校生で、お祭りムード自粛風潮の中、「日本海なべ祭り」の『祭り』の文言を削除したり、「学校祭を中止にしてその日を模試にするらしい」なんて噂が流れたりしていました。今の仕事を始めて最初に担当した人たちはもう社会人となり、時代の流れを痛感するこの頃でもあります。
 
 最近、DVDのレンタルコーナーに「仮面ライダー」「ウルトラマン」や、「フランダースの犬」「母をたずねて三千里」などのシリーズが次々と並んでいます。ちょうど私が幼少の頃に放送されていたものです。また、「森永ミルクキャラメル」「三ツ矢サイダー」「ジョージア缶コーヒー(初代版)」をはじめ、「懐かしの味」シリーズがコンビニに相次いで並んでいて、つい購入してしまいます。某テレビ局では「欽ちゃん」や「桂三枝」がお茶の間劇場を演じており、「そういえば、今はこんな番組やってないなぁ」とつい見入ってしまいます。新横浜の「ラーメン博物館」には、ラーメン屋台のほか、駄菓子屋やパン屋など、昭和の街が再現されていて、とても懐かしさを感じます。
 
 「石原裕次郎の人気といったら、キムタクの比じゃなかったぞ」「昔の歌手は、歌をちゃんと歌っていたものだ」「昔の野球は」「昔の映画は」「昔の若者は」と語る親の話を、内心「うるさいなぁ、今は時代が違うんだよ」と思いながら聞かされたものですが、自分の生きた時代を振り返りたくなる、なんだかホッとする気持ちをようやく理解したように思います。先日「輝け!日本レコード大賞(1978年版)」を見ながら、しかし正直、歌はそれほど上手だとは思いませんでしたけどね。

J-PRESS 2005年 4月号