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モリゾーとキッコロ
木村

 2005年9月25日に愛・地球博が閉幕しました。みなさんはお出かけになりましたか? 私の場合、1回目は外国館などを巡り、2回目は少し並んでもお目当てのパビリオンに入ろうと訪問しました。1970年の大阪万博のときには、「月の石」が展示されていたアメリカ館が大盛況だったとか、インド館では無料でインドカレーが提供されていたとのことですが、今回の目玉は「冷凍マンモス」か「ロボットの吹奏楽団」といったところでしょうか。
 
 開幕当初の最初の訪問では人も疎らで、多くのパビリオンを見学することができました。ところが、「入場者数が最高で大混雑!」などと報じられるにつれて一層人数も増えたようです。「混んでいるからこそ行く」といった人々の心理も働いたのか、2回目の訪問は、まるで人ごみを見に行ったようなものでした。人気の企業館は数時間待ちで、並んでいる人は皆、敷物やミニチェアー、食事を用意して準備万端のようでした。外国館なども有名どころは軒並み大行列で、売店、レストラン、お手洗いから警備ブースまで行列でした。そしてこの頃、モリゾーとキッコロの顔を入れかえた「キリゾーとモッコロ」の画像も出回ったそうです。
 
 日本で初めて開催された万博は1970年の大阪万博で、183日間の総入場者数は6,422万人だったそうです。愛・地球博では185日間で2,205万人とのことですから、35年前のそれは大変な賑わいだったようですね。その後日本では沖縄国際海洋博(1975年)、国際科学技術博覧会(つくば万博)(1985年)、国際花と緑の博覧会(花博)(1990年)、そして今回の愛・地球博(2005年)と、計5回開催されています。しかし、その規模や話題性にもずいぶん違いがあるようです。
 
 通常、万博と呼ばれる「国際博覧会」は、国際博覧会条約に基づき正式に博覧会事務局に認定されるものをいうそうです。またその条約では、「2カ国以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、…(中略)…、進歩もしくは将来の展望を示すものをいう」(とても堅苦しいですね)とのことです。将来の展望…、大阪万博では「携帯電話」が発表されていたそうです。同じように数年後には、リニモが日本中を走るようになるのでしょうか。それに比べると、「海洋博」「花と緑」とテーマが限定されたものはインパクトが弱いのかもしれませんね。2010年には上海で開催されるそうですが、すでにリニアモーターカーの走る都市、どのような博覧会になるのでしょう…。
 
 ちなみに、大阪万博のシンボルタワー「太陽の塔」と同じように、今回も「大地の塔」(内部は世界最大の万華鏡になっている)は今後も残されるそうです。そういえば、あのパリのエッフェル塔も1889年のパリ万博の際に建設され、現在まで残っているそうですね。

J-PRESS 2005年 10月号