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大彗星出現?
藤浪

 「40年ぶりの大彗星出現!」 北半球に住んでいる私たちはこう言われてもピンときませんが、今、南半球では大彗星が見えるそうです。その名はマックノート彗星。光度が-5等級といいますから、明るく輝く「宵の明星」(金星)よりも更に明るいわけです。インターネットを通して南半球で見える彗星の画像を見ますと、これが「すばらしい!」を通り越して「すさまじい!!」という印象を受けました。核が明るく輝き、尾が広く長いこと!! 残念なことに北半球の私たちに見えるのはマックノート彗星の尾だけ(私は見ていませんが)。核の部分は地平線のはるか下ということになります。
 
 彗星といえば多くの人がその名を知るのは「ハレー彗星」ではないでしょうか? イギリスの天文学者エドモンド・ハレーはこの彗星の回帰を軌道計算によって予告し、その功績をたたえてハレー彗星と命名されました。前回、ハレー彗星が地球に接近したのは1986年のことです。当時、「天キチ」を自称していた私は、この彗星の到来を待ちに待っていました。残念ながら前評判は低く「今回の接近は最悪の条件」と言われていました。しかし、「条件は悪いとはいえあのハレー彗星だから、そこそこすごいんだろう」と期待に胸を膨らませていました。
 そして、とうとうその時がおとずれました。しかし、いくら夜空を見上げてもそれらしい姿は見当たりません。当時、街中に住んでいたことも災いして彗星らしい姿を見ることはほとんどできませんでした。口径15センチの反射望遠鏡で見るボーっとした光。「これがハレー彗星かぁ。」 私はがっくり肩を落としたのでした。
 
 それから10年後、あのときのうっぷんを晴らす彗星が出現します。それは「百武彗星」です。この彗星はその名のとおり日本のアマチュア天文家、百武裕司さんが発見された彗星です。街中でも核の部分は明るくはっきり見えました(右の写真)。夜空の暗いところで見た百武彗星はまさに大彗星でした。その尾の長かったこと!「おーっ、これが百武彗星かあ。すっごいなあ。」 私は満面の笑みを浮かべ夜空に見入ったのでした。
 
 感動の百武彗星から11年、マックノート彗星はその雄姿を南半球の人々の前に現しています。彗星を見に南半球へ旅行することも叶わない私は、次回のハレー彗星の接近に期待を寄せています。次回の接近は条件が非常に良いそうです。きっと、夜空に長い尾をなびかせて多くの人々の注目を集めることでしょう。ちなみに次回の出現は2061年、つまり今から54年後です。えっ、南半球に旅行するより難しいんじゃないかですって? きっと大丈夫ですよ!!

J-PRESS 2007年 2月号