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私は「雨」で考えた
石黒

 沖縄を中心にネットワークを広げる某航空会社のカレンダーを今年も入手、1月は沖縄本島の名護の桜、2月は与那国島の西崎の灯台。コバルトブルー・エメラルドグリーンの海が、亜熱帯の原色の花々が、生命力に溢れる緑の木々が私を沖縄へと急き立てる。先日、城西O.G.のYが学友達と宮古島を訪問、「異国のリゾートなんて」と宮古島の海の青さ美しさを絶賛、添付画像とともにメールを送ってきた。
 
 1月、自慢のデジタル一眼レフカメラと広角レンズを手に、颯爽と宮古島空港に降り立つ。雨、気温17℃。ガイドブックで狙いを定めた東平安名崎、砂山ビーチ、与那覇前浜の激写は夢と化し、隣の伊良部島行きも断念。誰が私を雨男に!? かれこれ十数回訪れた沖縄は8割までが雨模様、アジア諸国の街角でも雨に祟られ、満を持して向かったリゾート地でも。PCには雨に泣く海岸線や霧雨に煙る街角が。
 
 ガイドブックを宿に残し外に出る。サトウキビ畑を抜け珊瑚の塀が囲む集落に入る、おばぁが「お茶飲んでいくといいねぇ」。堤防で老齢の漁師が語り掛けてくる(中略)。市場の食材に誘われ居酒屋へ向かう。泡盛は瓶単位でしか飲ませて貰えない。ヒージャー(山羊)の刺身、テビチ(豚足の煮込み)を堪能したが瓶は重い。白髪混じりの店の主人が「泡盛のボトルは3ヶ月キープしとくから、また来ればいいさぁ」。

J-PRESS 2008年 2月号