眠いときにはどうすれば?木村
部活動が終わって急いで家に帰り、夕食を食べ、急いで塾の教室に入り着席する…。まして今のような寒い季節、暖かい教室に入り、私語もなければ、眠くなるのはごく自然のことです。私たち講師陣は(少なくとも私は)、授業の時間に一番頭が冴えるように生活のリズムを整えているつもりですが、生徒の皆さんはそのようなことはなく、毎朝普通に起きて学校へ行くわけです。もしも4限目が体育だったら、給食のあとの日差しのやわらかい5限目はうとうとと…。
「試験中、わからんくなったら眠くなるんやけど」「授業中にもときどき夢を見て、寝言をいうこともあるらしい」とは、最近のある高校生の発言です。自分で顔をひっぱってみたり、鉛筆の先で体のあちこちをツンツンと突いてみたりするものの、なかなか効果が得られないとのことです。授業の内容がわかるときはそうでもないのですが、わからなくなったら眠くなる、「わかることを増やすしかないのでしょうかねぇ(苦笑)」
塾の授業でも例を挙げてみたのですが、『1日5分、頭がよくなる習慣』という本に「右手で鼻の左側を押さえ腹式呼吸をする」と眠気が覚めるとありました。もちろん個人差はあるでしょうけれど、著者の佐藤伝氏は学習方法論を研究し、学習能力が飛躍的にアップする方法を伝授する学習塾「創造学習研究所」を主宰、科学的にも実証されている方法が多いそうですので、一度お試しになってはいかがでしょう。「問題を解くときに、右利きの人は、使っていない左手の指をトントンする」「英単語は、あえてチラッと見ることで脳に印象的に覚えさせる」「ひとつひとつ、目をつむりながら暗記する」のも効果的とのことです。
効果のある・なしはともかくとして、「脳に酸素が回りやすくなる」「右脳を刺激する」などと言われると、いかにも効果があるように聞こえます。右脳といえば、数学的な思考ばかりでなく、感性に関わる要素も右脳が司るといわれています。昨年までずっとオランダで生活していた高校時代からの友人は、日本で爆発的に話題になっていた「千の風になって」がとても気になり、You Tubeで探したそうです。そしてその歌を聴きながら、なぜか涙が溢れ出てきたと話していました。また、大学の卒業旅行でウィーンを訪問した友人も、マーラーの交響曲の生演奏を聴いて、やはり涙が止まらなかったと言います。これらはすべて、美しいものに右脳が反応して流れる涙だそうです。…専門の方に言わせると、一部表現が正しくないかもしれませんが。「笑っていいとも」の懐かしの名曲コーナーで、出演者や会場の客が涙するというのは、現代の人も皆、そのような感性を持ち合わせていることの現れなのでしょう。