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カは確率のカ
石川

 毎日、「景気悪化」「失業率上昇」「就職戦線厳しく」「生活保護申請が増加」などの暗いニュースが目立ちますが、そういうときほど一攫千金、逆転満塁ホームランを狙う人が多くなるのか、宝くじの販売数が増えるとのこと。
 
 今は一等・前後賞合わせて2億円の「グリーンジャンボ宝くじ」が発売中ですが、ジャンボ宝くじが発売になるたびに気になることがあります。
 
 発売初日や発売期間中の大安の日など、ワイドショーなどで「今回も西銀座チャンスセンターの1番窓口には多くの人が並んでいます。最後尾は約2時間待ちですね。ちょっと並んでいる人にインタビューしてみましょう」というのが風物詩。
 
 「よく当たる」と評判の1番窓口は長蛇の列なのに隣の2番窓口は閑散としているとか、東京だけでなく日本中からわざわざ購入しに来る人がいるとか、さらには買いに行けない人のための購入代行業者まで存在するとか、金銭欲が渦巻いて、普通じゃ考えられないような状況になっているようです。
 
 でも、「よく当たる」売り場や窓口なんて本当にあるんでしょうか?
 
 「実際、私はここで購入して一等に当選しました」「平成19年度は17人の億万長者がここで生まれました」なんて例を聞くと、「当たるのかなぁ」と信じる人もいるかもしれません。
 でも、少し冷静に考えてみましょう。数学で「確率」を勉強した中学2年生以上の人なら分かると思いますが、どの番号が当選するのも「同様に確からしい」はずです。一等の当選確率は約1000万分の1だそうですから、100枚購入すれば10万分の1、思い切って1万枚購入すれば、1000分の1にまで上がり、当選も夢ではない気がしませんか?
 
 宝くじは10枚1パックで、多くの人が2、3パック購入しますし、評判の売り場まで行く人は多めに買うでしょうから、西銀座チャンスセンターでは平均50枚買うと仮定します。さらに購入はひとり30秒、営業中の約12時間は常に誰かが並んでいるなら毎日72000枚が売れます。これが約3週間続くので百万枚以上売れることになり、一等が出てもまったく不思議ではありません。
 
 結局、日本全国どこで買っても当たる確率は同じですから、宝くじを買う人は安心してご近所の売り場で購入しましょう。自分は、昨日買いに行ったら売り切れてました。買わなきゃ当たる確率はゼロですね。残念。
 
 ところで受験生のみんな、「2つのサイコロは表、あとは樹形図」って覚えてますか? 合格の確率を上げるため、最後まで一緒に頑張りましょう。

J-PRESS 2009年 3月号