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アは挨拶のア
石川

 先日、アメリカのバラク・オバマ大統領が来日して天皇、皇后両陛下と面会した際、握手をしつつ深々とお辞儀されていたのが印象に残りました。欧米の人々が日常の挨拶でお辞儀をすることはあまり無いはずですが、「郷に入っては郷に従え」「ローマではローマ人のように振舞え」ということでしょう。相手の国の風習に合わせて丁寧な挨拶をする姿が素敵です。
 
 日本人にとってお辞儀は見慣れた動作ですが、他国の人から見ると風変わりに感じる場合もあるようです。逆に外国の挨拶の作法の中には、日本人から見ると風変わりに見えるものがたくさんあります。
 
 例えば、チベットでは相手に向けて舌を出して見せるそうです。知らなければ「あかんべえ」をして馬鹿にされたのかと勘違いしそうですが、親愛や敬意を表しているのだそうです。
 
 ニュージーランドのマオリ族は、互いの鼻と鼻をこすり合わせるのが挨拶。予備知識無しににこんな挨拶をされたらキスでもされるのかと思って、自分だったら逃げ出してしまうかも。
 
 さらに驚きなのがアフリカのキクユ族の挨拶。なんと、相手に唾をかけるそうです! 欧米であれば間違いなく侮蔑の行為ですが、キクユ族にとっては魔よけの意味があって、相手に良いことがあるようにとの願いを込めての行為とのこと。
 
 所変わればマナーや習慣も違いますが、挨拶をすることで互いが良い気分になれるのは、きっと万国共通でしょう。家の近所には多くの飲食店がありますが、繁盛して長く続いているお店の人は、出会った時に例外なく気持ちのいい挨拶をしてくれます。
 
 また、挨拶は相手だけではなく、する人自身にも良い影響があるのではないでしょうか。城西セミナーの塾生も「よく頑張っていて偉いなぁ」と思える人達は、こちらが挨拶すると気持ちよく、しっかり挨拶を返してくれますし。
 
 新しい年を迎えたのを機に、これまで「なんか気恥ずかしいから…」とあまり挨拶をしてこなかった人も、これからは気持ちよく挨拶するようにしてみませんか? まずは身近な家族から「おはよう」「いただきます」「ごちそうさま」「行ってきます」「ただいま」「おかえり」「ありがとう」「おやすみ」、そしてご近所の人、親戚、友達へと挨拶の輪を広げていきましょう。
 
 とういうわけで、
明けましておめでとうございます。

J-PRESS 2010年 1月号