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昔とった杵柄
木村

 何人かの友だちに感化されて、最近カメラを購入しました。以前にも書きましたが、初めて買ったカメラは、小学生か中学生の頃に、近所のカメラ屋さんと仲良くさせてもらっていた関係もあって少しお安く購入。それが縁でいろいろ教えてもらい、「夜景を撮ろう」と小さな三脚を立てたりしたものです。あれから20年、今はデジタルカメラ。当時のものと比べると、軽いし、使いやすいし、さて、何を撮ろうかな…
 
 そのカメラ仲間に、私が師匠と呼んでいる人が2人います。私とはレベルが違って、「海の朝もや」「逆光」「流し撮り」はもとより、「川の水の流れ」をふわふわにぼかしたり、クリスマスツリーのイルミネーションを、レンズを動かしてまるで動いているように撮る「露光間ズーム」の写真を、バンバン撮って見せてくれます。
 
 その仲間たちに「初撮影、何にするのー?」とたずねられて、ある日、富山空港へ飛行機の撮影に行きました。でも、なかなかうまく撮れず、結局、別の場所での紅葉が初撮影に。すると次の日、仲間のひとりが空港へ行って同じ場所で撮影。「さぁー、どちらがよく撮れているでしょう?」。それを見たもうひとりの師匠、その週末に空港へ…苦笑。
 
 何気なしに選んだ飛行機の撮影が、みんなを巻き込んで騒動になりました。でも、素人の私と違って、師匠たちは飛行機も流し撮りするし、技術を駆使してすごい写真に仕上がっていました。ここに掲載したものは私が撮ったものですが、その仲間から「イイネ」をつけてもらった写真です。笑
 
 今回、子供の頃に使っていたカメラを探し出して点検・整備をしたのですが、20年ぶりに触る機械は、壊れることもなく動いてくれました。しばらく使っていると、その当時の感覚もだんだん戻ってきました。ところが、今の新しい機能は、覚えたり使いこなしたりすることがなかなかできません。きっと、小さい頃は何事にも夢中になって、無意識のうちに物事を学習していたのでしょう。そして、そうやって身に付けたことは、何年たっても覚えているものだなぁと実感した出来事でした。勉強に関して言えば、正確な計算をする訓練や、漢字とか都道府県とか、英単語のつづりを暗記するといった作業は、やはり小さい頃に身に付けておくと、きっと有利だろうなと再認識しました。

J-PRESS 2010年 12月号