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ジは自虐のジ
石川

 「うちの学校は他校に比べて成績が悪いから…」という言葉を生徒さんや保護者の人から聞くことがあります。でも、その根拠を聞いてみると「なんか学校で先生がそう言ってた」というだけで、具体的な平均点を教えてもらったわけではなかったりします。
 
 勉強についてだけでなく、日常でも「高岡は富山に比べて保守的で…」なんて決めつける人もいます。その根拠だって、その人の誤差のような少ない経験に基づいていることがほとんど。なぜか自分を中心とした同心円で、自分に近いものほど悪く語りたがるのは、日本人特有の謙譲の美徳でしょうか。
 
 「富山県は石川県に比べて閉鎖的で…」、「北陸は東京・大阪に比べると考えが古くて…」、「日本は韓国に比べると内向きで…」、「アジアは欧米に比べてセンスが…」などと決めつけて話す人もいます。こういう人は、きっと地球外知的生命体がやってきたら「地球人はホニャララ星人に比べてあれやこれやで劣っているから…」というように、決めつけかたも宇宙規模にスケールアップするのでしょう。
 
 でも、そういうマイナスイメージの決めつけをする人は、「高岡の保守性を分かっている自分は革新的」、「富山県の閉鎖性を分かっている自分は開放的」、「北陸の考えの古さを分かっている自分は進取的」というように、同心円の中心である自分自身は特別扱いしているようです。まるでシュヴァルツシルト半径が胸囲の驚異的な特異点。
 
 こういう人たちが、「革新的な富山」、「開放的な金沢」、「進取的な東京」、「国際的な韓国」、「センスの優れた欧米」に引っ越さないのは、なぜだろうと不思議で仕方ありません。嫌いな場所に文句を言いながら住み続ける気持ちは、到底理解不能です。
 
 自分は、生まれ育った高岡が好きです。もちろん気に入らないところもありますが、自分の手が届く範囲は自分で改善すればいいし、個人の手に負えない部分もみんなで良くしていけば、もっと好きになれる気がします。マイナスイメージで決めつけるより、良い面を見つけてプラスイメージを増やしていくほうが、建設的だと思うんですけどね。
 
 勉強だって、「試験は悪かったし、どうせ勉強したって…」と決めつけるより、「出来なかった部分は、次の機会までに出来るようにしておこう」と考えるほうが良いことありますよ、きっと。
 
 何事も「駄目、劣ってる、出来ない」と決めつけて自虐的になるより、出来る可能性を探すほうが楽しいはずです。
 
 そういえば、高岡市の特定健康診査(国民健康保険加入者が無料で受けられるやつ)を先週受けたんですが、身長が1 cmちょい伸びていました。「この歳じゃ、どうせ背は伸びない」と決めつけて自虐的にならなかったからかもしれません。学力も身長も、伸ばす気があれば、きっと伸びるはず。

J-PRESS 2011年 8月号