時の流れと私小野
中学生、高校生、あるいは小学生にも受験シーズンがやってきました。塾に通っている受験生たちも緊張感が走っているようです。まったりと過ごす時間も大切ですが、時にはこんなピリッとした日々を経験するのも大切だなと感じているこの頃です。
私が最後に受験を経験したのは何年前だったでしょうか。当時は21世紀なんてまだ先のこと。30歳なんてはるか未来の話なんて思っていましたが、気がつけばもう40歳に。
昔からよく、時間が経つのは年を重ねるごとに速くなる、なんて言われますが、まったくその通りと、実感せずにおれません。
いったい時の流れの感じ方というものは年齢とともにどれくらい速くなっていくのでしょうか。それで有名なのが、ジャネの法則。フランス人のポール・ジャネという人が提唱した法則です。しかしこの人、哲学者なので、あくまで心理学的にどう感じるかをまとめたもので数値的な法則を言っているわけではありません。人によって感じ方は異なるでしょうから、数値の出しようがなくて当然という気がします。
しかし、それならそれで、あえて数値化してみましょう。仮に時の長さの感じ方が年齢に反比例するとしたらどうなるか。例えば、10歳の時の2ヶ月間と、60歳になった時の1年間が同じ長さに感じるという設定です。
5歳から85歳までの期間で計算してみると、なんと、5歳から20歳までと、20歳から85歳までの期間がほぼ同じ長さに感じるという計算になりました。20歳の人、要注意!!まだ20歳なんて言ってられません。もう人生の半分が過ぎてしまったのです。成人式とは人生の折り返し記念式だったんです。そんなことをいっている私はどうなるのか。残りの人生……
なんかおかしな話になってきましたので話題を変えます。色の持つ心理作用の中にも、時間の感じ方を錯覚させるおもしろい働きあります。暖色系と寒色系で比べてみると、暖色系の色に囲まれた空間にいると時の流れが遅く感じるそうです。逆に寒色系の中では時間の経過が速く感じるそうです。実はこの心理作用、飲食店や勉強部屋なんかにも利用されていて、客の回転を早めたい飲食店では、店内の内装を暖色系にします。すると30分が40分、1時間にも感じて、結果的に早めにお店を出るようになります。逆に勉強部屋や会議室では寒色系にしておくことで2時間の勉強時間が1時間30分くらいにしか感じないというわけです。
時間の感じ方はいろいろでも、常に流れ去っていることには違いなく、過ぎてしまえばあっという間です。だからこそ時間を大切にと言われるのでしょうが、その大事な時間をどう過ごすべきか。その答えこそが一番知りたいところですね。
それについてはまたの機会に。