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フーコーの振り子
木村

 先日、母校の学校祭に行ってきました。ちょうど、当時所属していた部活動の発表があるというので、開演直前に「こられこられ」と連絡をもらい、急遽行くことに。その発表はまさに、機会があったら見てみたいなぁと前々から思っていながら、なかなか日程や時間が合わずにいたものです。せっかくだし、生徒には見破られないようにと変装して行くことにしました。いや、実際には、変装などはしておらず、でも誰にも気付かれなかったようですが。笑
 
 これまで、同窓会記念館や運動会に、ほんの数分おじゃましたことはあったのですが、校内に入るのは十数年ぶり。一般公開の学校祭ということで、他校の生徒や一般の方々もおられて、その流れに沿って生徒用玄関へ。実際に中に入ると、あぁ、懐かしい。「自分の下駄箱はこの辺だったかな」。それから迷うことなく体育館へ。自分たちも学校祭のこのステージで発表したことを思い出しながら、楽しませていただきました。30分ほどの発表が終わり、少し時間があるので音楽室へ。「あぁ、ここだここだ」。さっそくガラス張りの第一練習室をのぞき見、メインルームには部員さんたちがおられて、残念ながら入れませんでした。音楽室は当時、授業のあとに、授業よりも長い時間を過ごした場所。毎日見ていた懐かしい光景を、たくさん目の当たりにしました。まさに青春の1ページ、ですかね。笑
 
 3階の音楽室から帰るのに、あそこの階段を下りてみました。塾の授業でもときどき話題にする「フーコーの振り子」、「あー、これこれ!」。今の校舎は、私が高校2年生の7月に完成、引越しをした建物です。引越しの際には、自分たちの机・椅子はもちろん、部室(音楽室)のオルガンや、生物室の骸骨の模型を運んだことも記憶しています。そして新しいピカピカの校舎に入って最初に目にしたのが、このフーコーの振り子でした。あれからかなりの年月が経つのに、すごい校舎だなぁ、などと思いながら、生徒に見つからないように退散しました。笑
 
 買い換えてやがて1年になるスマートフォン、もう次の機種が出た今ごろになって初めて利用した機能があります。フーコーの振り子の前で初めて、「パノラマ撮影」というものに挑戦。使い方もわからないまま、あちこち触りながら撮影したのですが、180度に近い広さで写っていて感動しました。ムービー撮影も、この日初挑戦。手ぶれもなく綺麗に撮れていて驚きました。でも、今回の学校祭の連絡をもらえたのは、このスマートフォンで「ライン」をしていたおかげです。小一時間ほどのタイムスリップ、本当に楽しい時間を過ごすことができました。

J-PRESS 2013年 10月号