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生活-科学 = 便利?不便?
小野

 スマホやタッチパネルのパソコンなど一昔前どころか1年前には考えもしなかった物が世に出てくるようになりました。幼稚園の女の子がタブレットを使いこなしているのを見たときは時代が変わったと思わずにおれませんでした。最近では腕時計やめがねといった身につけるものとスマホを連動させたウェアラブルという言葉が耳に入ってくるようになりました。
 
 自動車の進歩もすごいです。電気自動車、ハイブリッドなど環境対策だけでなく、ブレーキアシスト、自動運転など、映画にしか出てこなかったような機能まで実用化に向けて開発されています。服や下着なども冬は暖かく夏は蒸れにくい素材など科学のおかげで快適なものができるようになりました。
 
 一方で、昔ながらの物、というのもあります。たとえば北陸では必需品の傘。材質や生産技術こそ進歩しているのかもしれませんが、形状や機能は昔と変わらずとてもシンプルなものです。
 
 電子辞書は私も結構使っているので便利だと思ってますが、電子ノートや電子手帳になると、昔ながらに紙にペンで書き込むのが一番だと感じています。その人の使い方によるでしょうが、科学技術が進歩したからといって便利になったり幸せになったりするかどうかは別問題のようですね。
 
 お掃除ロボット「ルンバ」。ほんとに掃除してくれるのかなと疑問を持ちつつもあこがれたりしていたのですが、ペットを飼っている家ではお掃除どころか悲惨な結果が待っているとのうわさを聞き、一気に関心がなくなってしまいました。今後の製品に期待しましょう。
 
 銃製作でニュースを騒がせた3Dプリンター。科学の力はすごいけど、それを使うのは人間だからいろんな規制が必要だという声が上がっていました。便利なものであればあるほどより厳しい規制をかけなければならないとすれば幸せなのか不幸せなのか考えてしまいます。
 
 便利な生活にあこがれて、自然を削り科学を駆使してビルや道路を整備してきたのですが、休暇にでかける人気スポットが自然豊かな南の島。なんてのを聞くとなんだか不思議な感じがします。
 
 都会の便利な生活もいいし、田舎で自由な暮らしにもあこがれる。友人や恋人と仲良く過ごしたいけど誰にも邪魔されずのんびりしたい。私たちの欲を満たすのは難しいようです。
 
 通信速度の速い格安スマホが話題になっていますが、各社の価格競争や研究開発に携わっている人たちは夜も眠れないのかもしれません。いまだにガラケーで事足りている私はそんな事に悩まされることなく他人事としてニュースを眺めています。

J-PRESS 2014年 6月号