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私は『桜』で考えた
石黒

 業界の会議が『静岡県熱海市で開催』とのメールを受信。北陸新幹線で東京だ!と喜んだのも束の間、開始時刻(午前10時30分)に到着出来る交通手段の選定が困難を極める。新高岡駅に期間限定で停車する『かがやき』を利用しても不可能(10時42分着)、やむなく40年慣れ親しんだ航空機により移動。所要時間は同じ、運賃は空路+在来線が数千円安価(早朝6時19分富山駅発の『かがやき』を利用すれば9時45分に熱海駅着)。
 
 三時間3セットの会議はエンドレス。学習塾に纏わる諸問題について全国から集まった20数名の理事が激論を交わす。空き時間、澄み切った青空に誘われカメラと共に脱出。気温18℃微風、数十羽のメジロが満開の桜を啄み、温暖な気候を楽しむ草花がホテルの庭に咲乱れる。数十年前絵葉書で見た海岸線を散策、小高い丘に建つ旅館からは温泉特有の湯煙、浴衣姿の男女が見え隠れ。『お宮の松』と書かれたバス停、九十九折の小道。
 
 閑話休題。カレンダーを捲ると同時に気温20℃超の春が高岡を襲撃。例年なら桜馬場通から本丸・小竹藪周辺へと開花が進む桜も、今年は一気に満開。週末までもたない!?との危機感から、老若男女が一斉に古城公園詣で。幼い子供たち、若い男女のグループ、お年を召した人々、それぞれの春を五感で感じるひととき。遊覧船『利長号・利常号』がお濠をゆっくり進む姿を、幾代にも亘り公園を住処としてきた野鳥たちが優しく見守る。

J-PRESS 2016年 4月号