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予想がはずれて、良いこと、悪いこと
小野

 今年の夏は記録的猛暑になると聞いてすでに憂鬱な気分になっています。普段の天気予報なら当ってほしいのですが、こんな気象予報ならはずれてくれないかと都合のよいことを思ってしまいます。
 
 ニュースを見ていると、異常気象だけでなく異常な事件まで増えてきて、いつ巻き込まれるかもしれないと思うとぞっとします。
 
 以前からオレオレ詐欺といった特殊詐欺が後を絶ちませんが、最近また新たな手法の詐欺が増えてきているそうです。
 
 架空請求をでっちあげ、○○さんが未払いです。と裁判所に訴えるというもの。訴えられると、その真偽にかかわらず裁判所から本当に支払督促通知が来てしまうのです。
 
 今までは、身に覚えのない請求は無視するがセオリーだったのですが、本当の裁判所から来たものならば異議申し立てをしないといけません。(裁判所を偽った通知なら別ですが。)きちんと手続きをすれば問題なく解決するのですが、これを放っておくと本当に支払わなくてはならなくなるのです。なんとも理不尽なことですが、そんな被害が多発しているのですから、早く法的にも対処をしてほしいものです。
 
 こんな暗いニュースばかり聞こえてくるので、バラエティーでも見ようと何気にテレビを見ていると、思わず爆笑してしまう番組を見てしまいました。
 
 外国人が自分の国で、日本の食や文化を真似て自信満々に店(しかも地元では人気店らしい)を出しているけれど、日本人からみれば全くがっかりする内容。そこでそれを正すべく日本からその道の達人がダメ修行人のフリをして潜入。その後、本物を披露して彼らの度肝を抜くというもの。
 
 最初は、デタラメなことをするなと思い上がりをぶった切る番組かと思っていました。ところがどの外国人たちも日本の文化が好き過ぎて真似をしているということが分かり、内容はともかく、彼らなりにすばらしさを伝えようと必死に頑張っている姿がそこにはありました。その姿に日本の達人たちも何とか本物を知ってもらいたいと最後は親身になって本当の技を伝えるという内容で思わず感動してしまいました。
 
 好きで始めたけれども、本物を見る機会も知る機会もなく、適当な情報のみで間違ったものを本物と信じて好きになってしまった人たち。もし本物を知った時、これは思っていたものと違うと、ひょっとしたら興ざめしてしまうのではないかと心配してしまったのですが、彼らは初めてみる本物に心から感激し、熱心に教わろうとしているのをみて、そのけなげな姿にまた感動してしまいました。
 
 ただのバラエティー番組だったのですが、予想をはずして久しぶりに後味の良いものを見ることができました。

J-PRESS 2016年 7月号