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私は『連続台風』で考えた
石黒

 今日29日、『迷走』台風10号が太平洋の伊豆諸島近海から本州に上陸するタイミングを窺っている。TVニュースの天気予報はしきりに「猛烈な台風、明日にも上陸か!?」と注意喚起、皆さんも不要不急の外出を控え十分な注意を。今月に入って北海道には連続して3個の台風が上陸、北日本に記録的な大雨が降り甚大な被害をもたらしている。気象庁によると「例年、夏場に日本付近を覆っている太平洋高気圧が、今年は日本の北東海上にずれ、大陸の高気圧が西日本に張り出している」ことが原因であるとのこと。
 
 北海道十勝に住む知人に電話をかける。幸い日常生活には支障が無かったが「ジャガイモが水被っていたましくて(もったいなくて)。オホーツク海側はもっとゆるくないっしょ(大変だ)」。美瑛町(富良野市の北隣)で民宿を営むご主人は「『青い池』の水溢れてしまって、したっけ(そうしたら)閉鎖だもんなぁ」。マスコミの断片的な報道では分からなかった実状が明らかに。ここ数十年、本州(西日本)と比較し台風被害が軽微だった北海道、近年の『異常気象』は北の大地にも容赦ない。
 
 美瑛町(人口10,500人、旭川空港から車で20分)は愛称『丘のまち』。TVコマーシャルで紹介された『マイルドセブンの丘』『ケンとメリーの木』や『白金青い池』が風景写真愛好家や国内外の旅行客を魅了。旭川空港には台湾からの定期便、アジア諸国からのチャーター便が多数飛来、レンタカーで自由自在に個人旅行を満喫する外国人で賑う。宿も然り、前出の民宿にお世話になった2年前、宿泊客は外国人8人、日本人3人、アウェー感覚満載の宴に浸る一夜を体験。(中略)
 
 昨年秋、私の携帯電話に見慣れぬ電話番号が。「去年美瑛のAロッジでご一緒したユンです、7人で富山に来ました。今日の夜一緒に食事をしましょう」、総勢7人の外国人と焼酎を交わす3時間。先月末、私の携帯電話にメッセージが。「美瑛のAロッジでお会いした小林です。嫁と一緒に再来週富山に行くんですが、石黒さんの家に泊めてもらえませんか」。そして先週メールが。「クォンです、30日に羽田空港に着きます。9月1日に富山に…」。襲来する連続台風、羽田空港や小松空港の運行状況から目が離せない。

J-PRESS 2016年 9月号