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メは眼のメ
石川

 子供の頃、春になると筍(たけのこ)掘りに連れて行ってもらいました。親の知り合いが自分の山を案内してくれるのですが、山を所有している、というのが子供心には驚きでした。
 
 実際行ってみると竹が空に向かって真っ直ぐ伸びているばかりで筍は全然見えません。「おっちゃん、まだ生えとらんぜ?」と聞くと、「そこ生えとるやろ」と足元近くの地面を指さしてくれます。しかし、そちらを見ても笹の葉が積もっているだけで周囲の地面との違いは分かりません。「葉っぱどかしてみ」と言われるまま葉をどけてみると、筍の先端が地面から顔を出しています。折らないように気をつけながら地面に鍬を入れて掘り起こし、筍ゲット。
 
 「なんで分かるが?生える場所覚えとるがけ?」と聞くと、「生える場所なんか毎年ちごわい。長いこと見とりゃ分かるようなるちゃ」との返事。長年の経験で地面に積もった葉っぱのわずかな盛り上がりに気づくのだそうです。
 
 勉強も同じ。なぜそんな考え方?とかどうしてそういう解き方?というのは丸暗記してもあまり役に立ちません。筍が生えてくる場所を覚えるようなものです。経験を積み、僅かなきっかけを見逃さないことが大切。
 
 下の問題、どこに補助線を引くか分かりますか? 問題①はOCとODに線を引きます。弧CDに対応する中心角を見えるようにするためです。
 

 
 問題②はPからABに垂線を引くのがオススメ。何でそんなところに?と思った人、△BPFの面積を考えるため、そして「かさなり」のパタンを作るためですよ。(中3の学習範囲)
 
 補助線を引く場所をただ覚えてるのではなく、なぜそこに線を引くのか、笹の葉のわずかな盛り上がりのように、ちょっとしたきっかけを見逃さない眼を鍛えることが肝心です。そのためには経験を積むのがいちばん。
 
 入試まであと一ヶ月、経験値アップには十分な時間が残っていますよ。

J-PRESS 2017年 2月号