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セは選択のセ
石川

 先日、久しぶりに東京へ行ってきました。日曜日の午前10時に新宿へ行かなくてはならなかったのですが、前日の土曜日はお仕事。新幹線も飛行機も土曜日の最終便には乗れません。日曜日の始発便だと間に合うけどギリギリ。遅延などがあればアウト。
 
 さて、どうやって行くのがいちばん良いかと思案した結果、土曜夜22時30分発の夜行バスで東京へ向かいました。日曜の朝6時10分に予定通り到着し、ひとっ風呂浴びてのんびりしてから9時半には新宿の目的地へ。
 
 現在、高岡から東京へ向かう交通手段は「新幹線」「飛行機」「バス」「自家用車」が考えられます。(「自転車」「徒歩」「タクシー」は可能ですが現実的でないので除外)複数の選択肢があるおかげで状況に応じて適切な交通手段を選ぶことが出来ます。もちろん贅沢を言えば深夜発の「新幹線」や「飛行機」があればありがたいですし、さらに無茶を言えば「どこでもドア」があれば最高です。決して「ベスト」の手段を選べるわけではありません。あくまでも「ベター」な選択肢を選べるだけです。
 
 交通手段に限らず何かを選ぶ時、自分にとっての「ベスト」を選べることはめったにありません。レストランでメニューから食べたいものを選ぶとき、服や家電や車を買うとき、非の打ち所のない完全無欠の「ベスト」な選択肢はまずありえません。「味はいいけど量が…」「見た目はいいけど素材が…」「機能性は満足だけど値段が…」というように概ね満足できても不満点が見つかることがほとんどなので「ベター」なものを選んで購入しますよね?
 
 そういえば、10月に衆議院議員総選挙が行われました。選挙でも完全無欠「ベスト」の候補者なんて存在しません。政策や思想面で自分と合わない部分があっても「ベター」な候補者を選ぶのが民主主義です。より良い政策を提示してくれれば選びようもありますが、他の党や候補の揚げ足取りや非難ばかりでは……。
 
 大学入試まであと30余日、高校入試まで90余日となりました。受験校選びも多くの場合「ベター」な選択肢を見つけることになります。「レベルは自分の希望通りだけど、遠くて通学時間が…」「校風は気に入ったけど、やりたい部活動が無くて…」など不満点がある場合、どの部分を優先してどの部分を妥協するかが重要です。
 
 さあ、「ベスト」な「ベター」を選んで納得できる新学期を迎えられるよう、今出来ることに全力で取り組みましょう。
 
 ところで、東京からの帰路は新幹線。グランクラスでのんびり、とは懐具合が許してくれず、「ベター」な選択で通常の指定席となりました。

J-PRESS 2017年 12月号