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撮影スタッフ
木村

 従妹が社会人の吹奏楽団にいます。長年所属していることもあってパートリーダーを務め、旦那さんは団長も務めていました。音楽繋がりということもあり、親戚一同、お互いの演奏会を案内し合ったり聴きに行ったりのお付き合い。前回、私がカメラマンを務めた演奏会には夫婦で聴きに来てくれて、今回、私がお邪魔した際にはちゃっかり撮影の担当者さんとあれこれお話をさせていただき情報交換(笑)。大ホールでの撮影ということで、鳥・飛行機用の望遠レンズ(150-600mm)を使っておられましたので、気になっていた私はさっそくその仕上がりを見せていただくことになりました。私は主に「人」、特に、ちっちゃい子を撮影したくて機器を選んでいますが、600mmという超望遠では人物を撮影した作例はほとんどなく、圧縮効果による人物の絵がどんな感じになるのか興味津々でした。
 
 一度の演奏会での撮影枚数、配布方法などは私も同じくらい、静音に定評のある本体でシャッター音はまったく気にならず、メディアに書き込む際のランプが点滅するため、連写もしておられたのが分かりました。うーん、やはり静かだなぁ…。団長によると、かつてはシャッター音についてお客さんからクレームが入ったこともあったそうです。たしかに、自分たちの演奏会でも写真撮影には賛否両論あり。500枚ほど見せていただいたのですが、大ホールの最後列から、70名の団員の個々のアップがおよそ500mm(フルサイズ換算で750mm)前後でした。
 
 超望遠はやはり迫力があるなぁと、その距離感みたいなものは大変参考になりましたが、反対に、暗いホール、照明による明暗差の激しい演奏会という悪条件の場面では、APS-Cセンサーがかなり苦しいこともよくわかりました。衣装の黒、譜面台の黒、楽器の黒の区別がつかずベタ塗りになりがち。また、600mmともなると手振れの限界は1/600秒、手振れ補正がついてはいるものの、暗いホールでは感度を上げざるを得ず、ISO1000の1/30秒でブレた写真が数多くありました。あとから黒の諧調を出すため編集ソフトで明るくしてみたものの、APS-CでのISO1000はザラザラでした。晴天の下での撮影では大きな差はないのですが、演奏会や結婚式といった、室内や暗所、照明や何かで明暗差の激しい場面はフルサイズ必須のようです。ただ、私の場合はそんな場面がどれだけあるか…ちっちゃい子の撮影は、一般的な室内や、明るい公園が多いですから(笑)

J-PRESS 2018年 2月号