セは整理整頓のセ石川
「夢の中へ」という昭和のヒット曲を知ってますか? 歌詞は、「何探してるの? まだ探すの? 見つからないなら僕と踊ろう」っていうだけの内容ですが、つい口ずさみたくなる名曲です。
必要なものがなかなか見つけられず困ったことがる、という経験は多かれ少なかれ誰にでもあると思います。
「あれ、どこにしまったっけ?」「たしかこの戸棚の中に……」「この前の大掃除で捨てちゃったかも……」
探すのをやめた時、見つかる事もよくある話で、「あれだけ探して見つからなかったのに……」とがっくりすることもしばしば。
自分も小さい頃はそういう“がっくり”を何度も体験しました。親には「ちゃんと片付けられま」と小言をもらい、保育園の先生には「お片付けしましょう」と優しく諭され、それでも懲りずに何度も“がっくり”を繰り返していました。
片付け下手だった自分が小学生になったある日、担任の辻先生が「整理整頓」について話してくれました。
まず「整理」と「整頓」は似た言葉だけど違うということ。
「整理」は、必要なものと不要なものを選り分ける作業。必要なものを残し、不要なものを捨てるだけ。どんなに見た目がとっちらかっていても、不要なものが無い状態は「整理」されている。
「整頓」は、ルールに基づいて並べたり収納したりすること。例えば「筆記用具は机の一番上の引き出し」「買い置きのトイレットペーパは納戸の最下段の棚」「定期や保険の証書類は銀行の貸し金庫」「本は著者名の五十音・アルファベット順」というルールを決めて、必ずのその場所にしまう。
そして最も重要なことは「使ったものは必ず元の位置に戻す」。
それまで「片付け」という言葉では「なんかきれいにすること」ぐらいの漠然とした行為でしかありませんでしたが、「整理整頓」という言葉の意味を教えてもらったことで、明確なイメージの具体的な行動につながりました。おかげさまで、それ以来「あれ、どこにしまったっけ?」と困ってしまう場面は滅多にありません。
最近はコンピュータやスマホなどの進化のおかげで、情報に関しての整理整頓は日進月歩で簡単になっていますが、実体を伴うモノの整理整頓は「収納場所」という物理的制約に大きく左右されます。目下の悩みは、書棚の限界を超えてあふれている本、CD、DVD、Blu-rayをどう収納するか……。
世代的に「夢の中へ」は井上陽水より斉藤由貴の歌という認識なのですが、昔買ったCDシングルを探して久しぶりに聴いてみたくなりました。
……あれ、どこにしまったっけ?