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オはおとぎ話のオ
石川

 先日「高岡おとぎの森公園」を訪れました。平日午後の公園は落ち着いた雰囲気で、散歩する人がちらほら。適度な起伏の遊歩道が整備され、様々な遊具が設置されていて、散歩するにも遊ぶにものんびりするにも良い公園です。園の中央を横切る千保川では鴨の親子が羽を休め、大きな鯉が何匹かゆったりと泳いでいました。
 
 公園の維持整備は都市の余裕の度合いを表すと誰かが言っていましたが、確かに飢える人が多くなれば鴨や鯉はすぐに捕まえられて食料にされてしまうでしょうし、広大な芝生の広場は畑になってしまうでしょう。この公園がずっと維持されるよう願うばかりです。
 
 そういえば、園内にはドラえもんのキャラクタ像もありました。お話の中に登場する土管の置かれたあの「空き地」が再現されていて、のび太くんと肩を組んだり土管の上に寝そべったりして記念写真を撮っている人たちを何組か見かけました。
 
 「おとぎの森」の名の通り、園内には妖精などいろいろなキャラクタのモニュメントやレリーフも飾られていました。「おとぎ話」は英語で"fairy tale"つまり「妖精のお話」。
 
 ディズニーの「ピーター・パン」では妖精ティンカーベルの粉でウェンディたちは空を飛ぶことができました。のび太くんたちはドラえもんの秘密道具で空を飛んだり様々な冒険をします。そう考えるとドラえもんも妖精のように思えてきます。どこでもドアの向こうに広がる世界はのび太くんたちにとってのネバーランドなのかもしれません。
 
 園内の建物には3月下旬に新しい遊具が完成して、子どもたちがさらに楽しめる公園になるようです。それに伴って、ドラえもんとのび太くん以外の像はお色直しのためのお出かけ中。ジャイアンは“きれいなジャイアン”になって戻ってくるのでしょうか。
 
 おとぎの森が素敵なfairy taleの場であり続けるために、ジャイアン、スネ夫、しずかちゃん、ドラミちゃんの帰りを楽しみに待ちたいと思います。

J-PRESS 2019年 3月号